
吉村 聖一
「このまま様子を見ていきましょう」と言われてませんか?

暑い日が続きますね。
慢性疼痛のみなさま体調はいかがでしょうか?
日常生活で痛みがある状態にプラスして暑さによるバテが出てしまい,体調不良になっている方がいます。疲労は蓄積すると痛みを悪化させます。無理せず行きましょう。
だって今は「夏休み」ですから。
大人だって夏休み必要です。ゆっくりしましょう。
「このまま様子を見ていきましょう」と言われてませんか?
では本題です。
膝や腰に長く続く痛みがあった場合皆様はどこに行きますか?
整形外科?
クリニック?
接骨院?
鍼灸?柔整?
総合病院?(私はここに所属していました)
現代の流れとしては,まず「町医者に行きましょう」なんですね。
総合病院は紹介状をもらって受診していただく流れになっています。
紹介状なく受診すると5000円は取られるので注意してくださいね。
町医者でレントゲン(あるところではCTがあります)で骨の状態をチェックします。そして,注射やリハビリ・電気などの治療を受ける事があります。
医者やリハビリの先生から
「このまま様子を見ていきましょう」と言われていませんか?
このまま様子を見ていきましょうという本当の理由を知らないと恐ろしい未来が待ち構えていますよ。
総合病院時代,私が関わった70歳A子さん両膝の痛みが10年続いていました。
彼女は明らかに標準体重をオーバーし,膝・股関節周囲の筋力低下も著名でした。
医者・リハビリからも「体重を落として筋力をつけましょう」と指導を受けましたが,本人は「私はもともと百姓だから,ご飯をしっかり食べて,おやつの時間もしっかり食べないと。力が出ないよ」と言い,減量・筋力強化訓練をしませんでした。
でも,A子さん町医者にはこまめに通うんです。
でも,減量・筋力強化訓練を実施しないんです。
そしたら,医者やリハビリの先生はどんな声かけをA子さんにすると思います?
そうです。
「このまま様子を見ていきましょう」
です。
この言葉を使って,改善する事なく10年の月日が経過します。そして,彼女は両膝の軟骨がすり減り歩く事ができなくなり,両膝を人工の関節に取り替える手術をしたのです。
「このまま様子を見ていきましょう」
この声かけは,決して悪い声かけではないのですが,痛みの期間によっては注意が必要です。
人間の体は良い状態に戻ろう,改善しようという機能が備わっています(ホメオスタシス)なので,急性炎症の場合であれば,無理さえしなければ「このまま様子を見ていきましょう」で炎症は改善し,状態もよくなるのです。
しかし,慢性疼痛(長く続く痛み)は,無理なく生活していても,痛みが慢性化しているため,痛みによる緊張や姿勢の崩れが進行します。そして,その崩れた状態で今までできていた生活動作(立つ・歩く・階段をのぼる)などを実施すると,疲労の蓄積・軟骨の消耗が生じるので最終的には這わないといけないレベルの痛みに発展する事があるのです。
まとめ
膝や腰の痛みが3ヶ月以上続いているにもかかわらず。医者やリハビリの先生から「このまま様子を見ていきましょう」と言われてませんか?
もし該当していたら,気をつける必要があります。痛みを改善させる方法を真剣に先生と考え行動する必要があるんです。
私は総合病院で「このまま様子を見ていきましょう」というアドバイスを信じ,最終的には辛い手術になっている現実をこの目で見てきました。(4000人以上)
人生100年時代。
あなたは今何歳ですか?
何歳まで生きたいですか?
痛みがあっても「このまま様子を見て行きましょう」と言われていませんか?
早期から痛みを改善させ・予防する事。これが大切です。
まずは相談してください。
本日もポジティブコツコツと行きましょう。