- 吉村 聖一
いきいきリハビリノートを使用する前にまずは痛みについておさらいしよう


昨日はいきいきリハビリノートの存在について
お知らせしました。
このノートは
認知行動療法に基づく
アプローチ方法です。
対象は慢性疼痛患者が対象のようです。
ノートを使用する事で
認知行動療法を開始することが可能ですが,
痛みの基本をおさらいして
使用すると良いようです。
本日は痛みが長く続くと
体にどのような影響を生じさせるのか考えてみましょう。
痛みの分類と想定される異常
痛みには
脳の回路内の異常があります。
それらは以下の項目です👇
・社会的ストレスに関連した脳内の異常反応
①社会的痛み
②学習性に痛み
・脳の異常(中枢性感作)
①ニューロンの異常
②グリアの異常
③ネットワークの異常
さらに
痛覚伝導路内の異常として
神経障害性疼痛があります。
末梢の異常では
侵害受容性疼痛
①器質的異常
②機能的異常
このように
・脳の回路内の異常
・痛覚伝導路内の異常
・末梢の異常
3種類に分類できます。
どの痛みにも共通して言えることが
不快情動が合併しているようです。
痛みは常に不快なんですね。
そしてその不快な状態が3ヶ月以上継続している人は
慢性疼痛に当てはまるようです。
その慢性疼痛に治療戦略とは
なんでしょうか?
病態に対してそれぞれ対策があるようです。
病態①痛覚伝導路の亢進
対策①鎮痛系薬剤の適正使用
病態②痛覚抑制系の機能低下
対策②適切な休息・安心感
病態③快感消失
対策③社会的報酬・運動
病態④自己否定感
病態④自己認証系の確率
????
みなさん??となりませんか?
病態①の対策は医療行為系だと理解していただけると思いますが,
病態③④の対策は医療行為?これ?
となりませんか?
どちらかというと
人生の生き方や捉え方
メンタル面の部分ですよね😌
特に病態②③④の部分は
いきいきリハビリノートを使用すると
治療・改善効果を得ることができるようです。
どうやら
患者さんの苦悩は
Physical Pain(肉体的痛み)
と
Social Pain(社会的痛み)
があるようです。
全ての痛みは
肉体に痛みとは言い切れないようです。
育成歴や
生活環境
心理葛藤などの
多くの混在したものと捉えると良いようです。

👆慢性疼痛の方が
苦悩由来が大半を占めていますね。
単純な痛みだと思っていても
MRI
CT
レントゲンで評価しても
原因がわからず。
それでも
痛みが
長引いていれば
慢性疼痛の可能性が高いです。
ただ痛いと思っていたら
実は
ストレスが
痛みの原因だった。
仕事を辞めて転職したら
痛みが軽減した
ということも当たり前にあるようです。
では
慢性痛を引きおこす
心理社会的因子をピックアップしてみましょう。
①感情
・親への愛情(甘え)欲求不満
・兄弟葛藤,姉妹葛藤
・抑うつ,不安,破局化
・罪悪感,恥
・怒り,不信
・社会的疎外感,妬み,劣等感
②行動
・過活動・不動
・痛み行動とその報酬
・痛み回避行動
③認知(自動思考)
・潜在的自己評価の低さによる頑張らずにはいられない思考
・愚痴,怒り,不満
・否定的感情を認められ抑圧する自動思考
・破局的思考
・こうあらねばならないという超自我的思考
④身体状況環境
・家族との関係
・学校,職場などでの人間関係
・金銭問題,補償問題
・交通事故での加害者との交流
・機能低下に伴う喜びの消失
・衰え
👆これって
「膝の軟骨がすり減ってるから痛い」
「腰が悪いから痛い」
とか
器質的(構造が破綻している)変化による痛みの問題だけではなく
かなり
精神的
社会的
生活習慣的
認知理解的(常識にとらわれてしまう)
な部分が
3ヶ月以上続く慢性疼痛に影響しているのですね。
そりゃあ
電気あてて
湿布貼って
飲み薬を与えるだけの
治療
リハビリで
改善するわけないですよね・・・。
大きな病院では
何ヶ月も痛みに苦しんで
ようやく手術で
痛みを緩和する人がいます。
しかし,
また痛みは発生することが非常に多いのです。
その原因は👆で述べたように
慢性疼痛の因子は
痛みの局所的な問題ではなく
感情・行動・身体状況環境・認知自動思考など
メンタル
社会背景的要素など
本当に複雑に絡んでいるのです。
そこの部分をないがしろにして
治療をしても
いけないのですね。
明日はもう少し
慢性疼痛について掘り下げて考えて行きたいと思います。
コツコツ
ともに学習しながら
痛みを改善させて行きましょうね。
行動行動